死に至る病

追加(2002/01/23)

  1. [図1]若く美しかった。母の希望でもあった。
  2. [図2]彼は堕落した。老年になる前にその過ちの罰を受けることになる。背中が曲がっていく。
  3. [図3]激しい熱が臓腑を焼き尽くす。胃のものすごい痛みに苦しむ。
  4. [図4]目には隈ができ、最近まであんなに澄み輝いていた瞳は、今やドロンとしている。
  5. [図5]ひざが曲がってしまい、もはや歩くこともできなくなる。
  6. [図6]こわい夢を見るので、よく眠れない。
  7. [図7]歯がボロボロになり、抜け落ちる。
  8. [図8]胸が燃えるように熱くなる。血を吐くようになる。
  9. [図9]あんなに美しかった髪は老人のように抜け、頭がはげ上がる。
  10. [図10]腹が減っている。空腹をなだめようとするのだが、食物は胃の中に長くは止まっていない。
  11. [図11]胸はやせおとろえ、吐血する。
  12. [図12]体中が膿疱でおおわれ、身ぶるいするほど不快な感じ。
  13. [図13]高熱がゆっくりと彼を憔悴させる。衰弱し、体中が焼けつくほど熱くなる。
  14. [図14]体中がこわばり、手足が動かなくなる。
  15. [図15]錯乱状態となり、死が近づいてくる。体が硬直していく。
  16. [図16]17歳で彼は、ひどい苦痛のなかで息をひきとった。

図4 1884年に出版された書物(タイトル不明)に記載されていた、あるオナニストの死に至るまでの過程を克明に書いた図だが、そのリアリズムには圧倒させる

(Jean Stengers et Anne Van Neck: Histoire d'ure grande peur La masturbation, Institut Synthélabo, 1998, P24-25)