黒のジャケットとデニムミニスカート、黒のストッキングを穿いた脚をくむやうにして、青いスポーツカー――なのかだうか、車のことは全然くはしくないのでちがふかも。しかし、くしくもハロプロエルダークラブ全員卒業の報をきいた日なので、かうかいておく――のボンネットのうへに腰かけてゐるところ。
;扶桑社;1,700円(借覧);四六判;縦2段組;並製;502頁;;ISBN978-4-594-05595-0;[構成]いしまる・げんしょー(石丸元章)
双書 哲学塾;岩波書店;1,300円(借覧);B6判;縦組;並製;vi+2+155頁;;ISBN978-4-00-028151-6;
;[発行]育英書院、[発売]目黒書店;3円(借覧);A5判;縦組;上製;2+4+10+6+320頁;;;
先日みた、本文解釈学に以下のやうな文章があつて、ちよつと気になつたので(pp.252-253)。
かくて、御物の『更級日記』が、過去の或時期において犯された誤綴という書誌的な原因によって錯簡を生じ、以後の末流伝本が悉くその欠陥を伝承していたが故に、その本文には、如何にも解釈し難い文意不通の個所を残していたものである。たまたま田中親美先生の手もとで、その全面的な補修が行なわれた際、冊子各丁を解きほぐし、料紙を一枚一枚表裏二枚に剥がして薄様の鳥の子を挟んで虫損個所を埋めた後、扨、もと通りに綴じ戻すこととなったが、日記の本文には殆ど関心のない助手の吉田氏が、窮余ひたすら虫損の形の経路を辿って料紙を重ね合わせたものを綴じ上げて、当時の宮内庁図書寮に返納したところ、錯簡によって文章の続きが全く不明となっていた個所が、定家書写当時の正しい順序におのずと復原していたので、調査に当っていた佐佐木信綱・玉井幸助両博士が驚嘆されたという逸話がある。「虫の知らせ」とはまさにこのこと。本文学の前段処理としての書籍学の段階において、何百年来の本文解釈上の疑問が解決したという稀有の例である。
とりあへず、やはり本書にはさうした事情はまつたく書いてゐなかつたけれど、さて実のところは、だうなのかな(ときほぐすときに、もとのならびがわからなくなるやうな下手をうつものかしら、とも思ふけど。さういへば、田中親美 : 平安朝美の蘇生に捧げた百年の生涯、も機会があればよみたいな)。
定家は本文に忠實な人であつて、假名一字の末と雖も私意を以て本文を改刪するといふ事はしない人である
(p.232)とか、讀み得ない所を我が計らひで讀まうとしない點に定家の貴さがあり、その寫本が信頼し得るのである
(p.262)とかは、現在では、まづきかれない言であるよなあ。
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