定本 柄谷行人集 第4巻;岩波書店;2,600円(借覧);四六判;縦組;上製;viii+267頁;;ISBN4-00-026489-3;
言語は死んだり、天寿をまっとうしたりはしません。ただ、急死することならある。(……)しかし、何と言おうが、言語は有機的組織などではない。人間とは別個に存在する植物みたいなものではない。それは、生まれたり死んだりするような生命を負ってはいません。(……)言語は有機化もされてもいなければ、自分で死滅することもない。衰えもしなければ成長もしません。(……)そして、最後に、言語は生まれることさえありません。(「ジュネーヴ大学就任講演」、『沈黙するソシュール』同前)(pp.183-184.)
日本語と同じシンタックスをもった言語をもつ他の文化において、以上のような(辞詞論的な)発想が見られない。ということは、「日本語の論理」は、日本人が「帝国の言語」を特殊なやり方で受け入れて漢字・仮名交用のエクリチュールを編み出した、歴史的経験に根ざしている、ということを意味するのである(ネーション=ステートと言語学、p.201)。
中公新書1009;中央公論社;(借覧);新書判;縦組;並製;iii+6+222頁;;ISBN4-12-101009-4;
これから言語学編集者になる人のためのブックリストで、最初にあげられてゐて、全然しらない本だつたので、かりてきてみたのだけれど、とてもおもしろくよんだ。わたくしなんかつい簡単に、民族とか、人種とか、あるいは言語の境界とか虚構だと知的太平楽をくちにしてしまふけれど、それらに対してこんなに緊張感をもつてむきあはなくてはいけない場といふのがあるのだよなあ。
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