紺色の肩のでたワンピース(ドレス?)。髪はアップにして、扉のまへにたつて、すこしおすまししたやうな、はにかみをふくんだやうな、えもいはれぬ表情でこちらを見てゐるところ。ほんと可愛いなあ。
;三弥井書店;8,500円(借覧);A5判;縦組;上製;9+417+xviii頁;;ISBN978-4-8382-3164-5;
シリーズ方言学2;岩波書店;3,400円(借覧);A5判;横組;上製;xix+223頁;;ISBN978-4-00-027118-0;[執筆者]こばやし・たかし(小林隆)/ささき・かん(佐々木冠)/しぶや・かつみ(渋谷勝己)/くどー・まゆみ(工藤真由美)/いのうえ・まさる(井上優)/ひだか・みずほ(日高水穂)
目次を写しておく。
- 方言文法論への誘い : 「シリーズ方言学」の世界 v / 小林隆
- 新しい方言学へ,ようこそ
- 方言方法論の魅力
- 世界の言語から見る方言の多様性
- 深化する分析方法
- 静から動への文法論
- 第1章 格 1 / 佐々木冠
- 1.1 はじめに 1
- 1.2 名詞句の格形式を左右する三つの要因 3
- (a) 主要部の品詞 3
- (b) 付属する名詞句の意味的特徴 6
- (c) 他の名詞句との関係 7
- (d) 格フレーム 11
- 1.3 類型論的観点から見た日本語方言の格 17
- (a) 直接格 18
- (b) 斜格 25
- 1.4 態 29
- (a) 受動態 30
- (b) 使役態 31
- (c) 逆使役態 37
- 1.5 格記述の課題 42
- 参考文献 43
- 第2章 自発・可能 47 / 渋谷勝己
- 2.1 はじめに 47
- 2.2 日本語の自発 48
- (a) 自発とは 48
- (b) 自発形式 48
- (1) 現代共通語の自発形式
- (2) 中古語の自発形式
- (3) 方言の自発形式
- (c) 自発の意味 51
- (1) 自発(狭義自発)
- (2) 自然生起(広義自発)
- (d) 自発文の格パターン 56
- (e) 自動詞相当の語彙的自発形式 57
- (f) 自発のテイル形 58
- 2.3 日本語の可能 59
- (a) 可能とは 59
- (b) 可能形式 61
- (c) 可能の意味(1) : 実現可能と潜在可能 61
- (d) 可能の意味(2) : 可能であることの条件 64
- (1) 可能の4条件
- (2) 可能の4条件 : 補説
- (e) 可能文の格パターン 71
- 2.4 可能表現の連続相(1) : 完遂・自発から可能へ 73
- (a) 世界の言語における可能形式の起源 73
- (b) 完遂から可能へ 75
- (1) 補助動詞キルの意味の連続相
- (2) 完遂形式の可能形式化
- (c) 自発から可能へ 79
- (1) 自発の可能の分節のあり方
- (2) 自発形式の可能形式化
- 2.5 可能表現の連続相(2) : 可能のなかでの意味変化 83
- 2.6 可能表現の連続相(3) : 可能からモダリティヘ 85
- (a) 行為指示形式への変化 86
- (1) 不許可の意味化の度合い
- (2) 変化する動機 : 丁寧さ
- (b) 認識のモダリティ形式への変化 88
- 2.7 まとめ 90
- 参考文献 90
- 第3章 アスペクト・テンス 93 / 工藤真由美
- 3.1 はじめに 93
- 3.2 アスペクト,テンスとは 93
- 3.3 言語類型論的観点からみた方言文法 95
- (a) 方言文法が提起するもの 96
- (b) 文法研究における鳥の目と虫の目 97
- 3.4 複数の日本語という視点 99
- (a) 方言文法からの発信 99
- (b) 動的体系としての言語 100
- (c) 述語における文法的カテゴリーのインターラクション 101
- 3.5 存在動詞とアスペクト 102
- 3.6 動詞分類とアスペクト 105
- 3.7 文法的カテゴリーとキーワード 108
- 《テンス》
- 《時間的限定性》
- 《アスペクト》
- 〈進行〉
- 〈結果〉
- 〈完成〉
- 〈痕跡〉
- 〈動作パーフェクト〉
- 《エヴィデンシャリティー》
- 〈直接的エヴィデンシャリティー〉
- 〈間接的エヴィデンシャリティー〉
- 〈意外性(ミラティヴィティー)〉
- 3.8 アスペクト・テンスを中心とする体系のバリエーション 111
- (a) 標準語 113
- (b.1) 宮城県中田方言 114
- (b.2) 青森県五所川原方言 117
- (c.1) 愛媛県宇和島方言 118
- ① 主体動作動詞
- ② 主体動作客体変化動詞
- ③ 主体変化動詞
- (c.2) 熊本県松橋方言 122
- (d.1) 沖縄県首里方言 123
- ① 主体動作動詞の中心的アスペクト・テンス体系 :飲む
- ② 主体動作客体変化動詞の中心的アスペクト・テンス体系 : 開ける
- ③ 主体変化動詞の基本的アスペクト・テンス体系 : 開く
- (d.2) 鹿児島県与論方言 131
- (d.3) ウチナーヤマトゥグチ 133
- 3.9 おわりに 135
- 参考文献 135
- 第4章 モダリティ 137 / 井上優
- 4.1 はじめに 137
- 4.2 方言の終助詞の意味分析の基本目標と記述のポイント 139
- (a) 方言の終助詞の意味分析の基本目標 139
- (b) 方言の終助詞の意味記述のポイント 140
- 4.3 井波方言の終助詞の概観 142
- ① 命令文で用いられる終助詞
- ② 平叙文で用いられる終助詞
- ③ 疑問文で用いられる終助詞
- ④ さまざまな文で使用可能な終助詞
- ⑤ その他の終助詞
- 4.4 実情説明と実情理解 : 「のだ」相当表現の使い分け 147
- (a) 「ガヤ」と「ガイ」の対立 147
- (b) 他方言との比較 151
- (c)「名詞+ヤ.」と「疑問詞+ヤ.」と「ガヤ.」 153
- 4.5 命令文のタイプ,命令文につく終助詞 154
- (a) 行為指示形による命令と意向形・不可能形による命令 154
- (b) 「行為指示形+ヤ(ヤ↑)/マ(マ↑)/カ」 156
- ① 「行為指示形+ヤ(ヤ↑)」「行為指示形+マ(マ↑)」
- ② 「行為指示形+カ」
- 4.6 平叙文につく終助詞 : 「チャ」「ワ」「ゼ」「ジャ」「ガ」 160
- (a) 「チャ(チャー)」 : 既定事項の叙述 160
- (b) 「ワ(ワ2)」 : 個人的見解の叙述 162
- (c) 「ゼ」 : 既成知識と現実とのずれに対するとまどい 165
- (d) 「ジャ」 : 現実に合わせた認識の修正 167
- (e) 「ガ(ガイ,ガイネ)」 : 現状理解の欠如に対する異議 169
- 4.7 「ネー(ノー)」 : 念押し・同意要求・共感 171
- (a) 「ネー」の基本的性質 172
- (b) 「ネー」の疑似共感用法 173
- 4.8 方言のモダリティ研究の(現段階での)基本方略 175
- 参考文献 178
- 第5章 文法化 181 / 日高水穂
- 5.1 はじめに 181
- 5.2 文法化と方言研究 182
- (a) 文法化の現象と分析の観点 182
- (b) 方言を対象とした文法化研究の可能性 184
- 5.3 「やる」「くれる」のダイクシス動詞化の過程 186
- (a) 授与動詞「やる」「くれる」の対立 186
- (b) 「やる」「くれる」の歴史的変遷 187
- (c) 「やる/くれる」対立発生のメカニズム 188
- (d) 富山県五箇山方言のヤルとクレル 189
- (e) 授与動詞の対照研究のための諸条件の検討 191
- 5.4 クレルの求心性動詞化のパターンとその地理的分布 193
- (a) ヤルとクレルの文法化の徴候的現象 193
- (b) クレルの遠心的方向用法に生じる制約の意味 195
- (c) 授与動詞の全国分布 196
- (d) クレルの求心性動詞化の地理的分布 198
- (e) クレルの変化型の地理的分布の意味 201
- 5.5 「のこと」の格助詞化をめぐって 203
- (a) 共通語の「のこと」の文法化 203
- (b) 秋田方言のトコの用法 205
- (c) 秋田方言のトコの機能拡張と機能縮小のプロセス 207
- 5.6 コト・トコ類の格助詞化の地理的分布 209
- (a) コト・トコ類の格助詞化の段階性 209
- (b) コト・トコ類の形態的バリエーションの地理的分布 211
- (c) コト・トコ類の前接名詞に関する使用制限の地理的分布 212
- (d) コト・トコ類の格助詞化の地理的分布の意味 215
- 5.7 おわりに 216
- 参考文献 217
- 索引 221
ひつじ研究叢書〈言語編〉第47巻;ひつじ書房;6,800円(借覧);A5判;横組;上製;v+219頁;;ISBN978-4-89476-320-3;
これはいいなあ。日本語(文法)史研究つておもしろい(ものでありうるのだ)なあ、とちよつと心うごかされた(ただ、5章2.2.の批判には進化と進歩の混同があるのではないかなあ)。以下、目次を写しておく。
- 序論 文法史の構築をめざすにあたって 1
- 1. 本研究の課題 1
- 2. 本論の内容 5
- 第1章 「とりたて」形式の構文的特徴と意味機能 : とりたて詞と係助詞・副助詞 9
- 1. はじめに 9
- 2. 助詞の相互承接 11
- 3. 「限定」の機能をもつ助詞の二層性 15
- 4. 「とりたて」の構造的意味 24
- 5. 係助詞・副助詞の区分を不要とする立場およびその問題点 : 「とりたて詞」 28
- 6. おわりに 35 #
「意味機能に対応する構文的特徴の違いが要素の違いと対応していた(多機能要素がほとんどなく、異なる機能は異なる要素が担っていた)」であろう古語から、「機能は構造が保障し、各要素がその構造への入り方(それが構文的特徴として現れる)によってさまざまな機能を担い分ける(多機能要素が増えている)」と分析できる現代語へという方向性、要素毎に機能を担い分けるシステムから構造が機能を保障し一要素が多機能を担うシステムへ(p.37)- 第2章 「係助詞」シカの成立 : 〈其他否定〉の助詞の歴史的変遷にみる 45
- 1. はじめに : 本章の目的 45
- 2. 〈其他否定〉の助詞の構文的特徴 46
- 2.1. シカの構文的特徴 46
- 2.2. 〈其他否定〉の助詞の構文的特徴 47
- 3. 〈其他否定〉の助詞の歴史的変遷 49
- 3.1. ヨリとホカ : 古代中央語圏 49
- 3.1.1 中世前期まで(中古~院政鎌倉期) 50
- 3.1.2 中世後期 51
- 3.1.3 近世前期 52
- 3.1.4 近世後期 54
- 3.1.5 明治以降 54
- 3.1.6 現代 55
- 3.1.7 ヨリとホカの係助詞化の流れ 56
- 3.2. シカとキリ : 江戸語圏 56
- 3.2.1 近世 57
- 3.2.2 明治以降 57
- 3.2.3 キリとシカの係助詞化の流れ 59
- 3.3. 〈其他否定〉の助詞の係助詞化 60
- 4. 〈其他否定〉の助詞の係助詞化の原動力 : 試案の提示 62
- 5. まとめ 62
- 第3章 方言からみたシカの構文的特徴と成立過程 69
- 1. はじめに 69
- 2. シカ類の構文的特徴 70
- 3. シカ類の歴史的変化と係助詞化の法則性 : 第2章より 72
- 4. 現代の〈其他否定〉助詞の方言形式とその分布 76
- 4.1. 複合形式の示す係助詞の構文的特徴 76
- 4.2. 係助詞化の過程を示す分布 80
- 4.3. [名詞の限定要素]が〈其他否定〉の係助詞となる可能性 85
- 5. おわりに 86
- 第4章 ダケ・バカリの歴史・地理的変化 : 限定要素の〈其他否定〉用法獲得 91
- 1. はじめに 91
- 2. バカリとダケに関わる限定範疇内の歴史的変化 92
- 2.1. 中古における限定 92
- 2.2. 古代中央語圏 96
- 2.2.1 中世 96
- 2.2.2 近世前期上方語 98
- 2.2.3 近世後期上方語 100
- 2.2.4 近代大阪語 103
- 2.3. 江戸語圏 104
- 2.3.1 近世江戸語 104
- 2.3.2 近代東京語 107
- 2.4. 限定の歴史的変化 : まとめ 109
- 3. 限定要素の〈其他否定〉用法獲得 110
- 3.1. 〈其他否定〉用法を持つ要素の意味的共通性 110
- 3.2. バカリの〈其他否定〉用法獲得/ダケの未獲得 114
- 3.3. 残る問題 : ハカの源流 116
- 3.4. シカの源流 117
- 4. おわりに 118
- 第5章 係助詞シカ成立の言語内的要因 : 呼応する否定述語句の構造変化から 121
- 1. はじめに 121
- 2. 文法史=文法の変化 121
- 2.1. 論理的・分析的変化とらえる立場 122
- 2.2. 言語変化=進化ととらえる立場 122
- 2.3. 言語を本来的に可変の体系とみる立場 123
- 2.4. 理論言語学における「動態」の必要性 126
- 3. 助詞シカ成立における文法史としての問題 127
- 3.1. 〈其他否定〉の助詞の成立過程(本書第2~4章より) 127
- 3.2. 〈其他否定〉の助詞の係助詞化 128
- 4. 否定表現側の変遷 129
- 4.1. 〈其他否定〉構文における否定表現の変遷 129
- 4.2. 否定表現一般の変遷 : ナイを中心に 132
- 4.2.1 江戸語圏での否定表現の変遷 132
- 4.2.2 古代中央語圏での否定表現の転換期 134
- 5. 変化の説明 134
- 5.1. 否定表現の変化との関わりから 134
- 5.2. 〈其他否定〉表現の変遷の本質 137
- 5.3. 幕末明治期におけるヨリ・キリの〈其他否定〉用法獲得の説明 141
- 6. おわりに 143
- 第6章 係助詞シカ類の成立に関わる音変化をめぐって 149
- 1. はじめに 149
- 2. シカ類の構文的特徴 149
- 3. シカ類成立のプロセス 152
- 3.1. 古代中央語圏 : (ヨリ・ノ)ホカ/ヨリ 152
- 3.2. 江戸語圏 : シカ・キリ 153
- 3.3. シカ類成立のプロセス 153
- 4. 音変化形の再検証 156
- 4.1. 変化過程で見られる音変化 156
- 4.2. 方言からの手がかり 159
- 5. おわりに 160
- 第7章 「おく「より」」の背景 : 富士谷成章の学説と助詞ヨリにかかる文法史 163
- 1. はじめに 163
- 2. 成章の記述 164
- 2.1. 和歌注釈史・学説史的側面からの評価 166
- 2.2. 中古語ヨリの実態からの評価 168
- 3. ヨリの歴史的変化 172
- 3.1. 否定述語句をとるヨリの変遷 173
- 3.2. 中古~中世の様相 174
- 3.3. 近世の様相 176
- 3.4. 明治以降の様相 178
- 5. 成章の記述の再検討 180 #番号ママ
- 6. まとめ 184
- 結論 本研究のまとめと課題 189
- 1. 本論のまとめ 189
- 2. 本論の発展のための課題 192
- 2.1. シカの構文的・意味的考察の精緻化 192
- (1) 現代語シカの構文的・意味論的考察の厳密化
- (2) 数量詞の性質と「係助詞性」の関わりに関する構文的・意味論的考察
- (3) 〈其他否定〉と〈〈数量・程度・範囲〉の限定〉との関わりに関する意味論的考察
- 2.2. 言語の動態を説明する枠組みとしての文法化に関わる課題 193
- (4) 「文法化」の再検討
- (5) 言語内的要因の検討と、言語外的要因との相互関係に関する考察
- 2.3. 方言・他言語での類例への目配り 196
- (6) 個別方言におけるシカ類および関連形式に関する研究の精緻化
- (7) 他言語の類似表現との比較
- 3. おわりに 196
- 引用参考文献 201
- 資料出典一覧 209
- あとがき 213
- 索引 217
奥付に、本文フォーマット 向井裕一(glyph)
。
稲賀敬二コレクション4;笠間書院;(借覧);A5判;縦組;上製;ii+3+359頁;;ISBN978-4-305-60074-5;[編集]妹尾好信、[解説]久下裕利
PingURL :