;明治書院;3,800円(借覧);A5判;縦組;上製;2+6+249頁;;;
目次を写しておく(本文には小見出しはないのだけれど、目次ページには書いてあるのがめづらしいなあ)。
- はしがき 1
- 中世語における思考と表現 1
- 一、語の続けがらと「てにをは」 1
- 二、『八雲御抄』に見られる言語意識 4
- 三、意識と表現との間のずれ 8
- 四、教長・清輔・顕昭・定家の条件法の意識 11
- 五、中世語における論理的な思考法 14
- 六、中世語における逆接の意識 16
- 七、中世人の思考形式を支えたもの 17
- 中世文語行為機構の一面 20
- 一、序説 20
- 二、接続助詞「とも」の解釈法 22
- 三、接続助詞「と」に反撥する意識 25
- 四、接続助詞「とも」の捉え方 27
- 五、接続助詞「とも」の文語的表現 28
- 六、接続助詞「とも」の口語的表現 31
- 七、中世文語における解釈と表現 32
- 中世語における理解行為の一面 36
- 一、序説 36
- 二、『耳底記』に見られる「に」格の意識 38
- 三、中世文語における「に」格の表現 41
- 四、中世口語表現の特徴 45
- 五、中世語における格の捉え方 48
- 六、理解の過程と思考の展開 50
- 係結び表現の機構 53
- 一、中世語における係結びの把握 53
- 二、『手爾葉大概抄之抄』における係結び 58
- 三、「抄物」における係結び 59
- 四、十三代集における「こそ」の係結び 61
- 五、中世語の係結びに見る表現と思考の関係 64
- 条件表現の問題 : 逆接の「ば」について 70
- 一、逆接を表す「ば」 70
- 二、逆接を表す「ば」の変遷 72
- 三、「ば」の変遷と人々の思考形態 76
- 四、中世語における逆接の論理 78
- 五、中世語に残る逆接の「ば」 : 「――も果てねば」の形について 79
- 中世文語における「つつ」についての問題 84
- 一、中世語における「つつ」の把握 84
- 二、「ながらのつつ」について 86
- 三、「つつ」止めに感ぜられたもの 92
- 四、中世の文献に見落とされた、反覆を表す「つつ」 94
- 五、中世語における「つつ」の古語性 95
- 六、中世語における反覆を表す「つつ」の用法 98
- 七、中世語特有の「つつ」の用法 101
- 八、中世語における反覆を表す「つつ」の意識 103
- 中世文語における助動詞「らし」とその周辺の語 107
- 一、「けらし」の用法 107
- 二、「ならし」の用法 111
- 三、『愚秘抄』に見る「らし」の感覚 114
- 四、「らし」の古語化 116
- 五、「らし」の表現の特性 120
- 六、「らん」の変遷と推量に対する思考の分化 123
- 中世語における時の助動詞に対する意識 130
- 一、中世口語における時の助動詞の実態 130
- 二、中世文語における時の助動詞の概略 134
- 三、「き」に関しての問題 134
- 1、中世語における「き」に対する意識と過去の概念 134
- 2、『耳底記』に見る「き」と「り」との混乱 138
- 3、中世語における「き」の誤解 140
- 四、「つ」に関しての問題 : 付「けり」 141
- 五、「ぬ」に関しての問題 : 「畢んぬ」の意識 143
- 六、「り」に関しての問題
- 七、まとめ 147
- 江戸時代における時の助動詞把握の一形式 149
- 一、「た」による時の助動詞の把握 : 本居宣長『古今集遠鏡』と富士谷成章『あゆひ抄』 149
- 二、『玉あられ』に見る宣長の時の意識と当時の用法 151
- 三、近世文語における時の助動詞表現の機構 154
- 四、文語表現の理解の限界 155
- 五、近世語における時の認識法 157
- 六、まとめ 157
- 過去の助動詞 161
- 一、時制研究の概観 161
- 二、「た」の用法 165
- 三、「た」の意味 167
- 四、「き」「けり」の相違 168
- 五、「き」「けり」の意味 172
- 六、平安時代の「き」「けり」に対する意識 172
- 「降りすさむ」「吹きすさむ」について 178
- 一、宗祇・紹巴の「すさむ」の把握 178
- 二、『日葡辞書』における「すさむ」の意味 180
- 三、中世の文献に見る「すさむ」 181
- 四、中世語における「すさむ」の実態 183
- 五、宗祇・紹巴の説の検討 187
- 六、本居宣長の『新古今集美濃の家苞』に見られる解釈 190
- 七、「すさむ」の変遷と中世語の解釈の機構 193
- 「数」の字考 197
- 一、多数の意を表す「数」の字 197
- 二、『日葡辞書』における「数」 199
- 三、中世語における「数」の字を冠した語 199
- 四、上代語・中古語における「数」の字を冠した語 201
- 五、畳語の意味 203
- 六、畳語と多数の概念 205
- 七、複数の意味 206
- 八、複数の概念と多数の概念との分離 208
- 中世和歌における表現の問題 : 藤原定家の「や」への意識 209
- 一、『石清水若宮歌合』における「や」に関しての判詞 209
- 二、中世語における「――や――」の表現 210
- 三、「――や――」の変遷 216
- 四、『手爾葉大概抄』における「や」 218
- 五、新古今時代の「や」の表現と定家の意識 219
- 六、疑問の「や」 221
- 七、和歌の表現と散文の表現 222
- 八、和歌の表現を支えたもの 224
- 兼好法師の言語観 227
- 一、兼好法師と言語 227
- 二、兼好法師と話しことば 229
- 三、兼好法師の感じた会話の有効性 232
- 四、兼好法師と言語理解 234
- 五、兼好法師の古語への憧れ 235
- 付記 239
- 後記 243
- 索引 245
;刀江書院;190円(借覧);B6判;縦組;並製;6+3+218+14頁;;;
すこしまへにちよつと四つ仮名についてしらべてゐたなかに、本書に、ではその假名の部分、或は假名ばかりで書く場合について、まづ字體からいへば片假名は大體今と同じだが平假名は異體――所謂變體假名が甚だ多いことをいふにとどめる。でその假名の使ひ方、所謂假名遣は和字正濫鈔が元祿八年に出てはゐるがそのゆき方を襲ふのは國學者だけと考へてよい。(本書の意義は他にあり實績がかく乏しいことは弱點にならないことを申添へる)といつて勿論何か他の方式によるのでもなく全く規則もない、ただ何とかして言葉を文字に殘したらよかつたのだらう。しかし事實は打消に「づ」を用ゐることは甚だ少いとか、前期上方でクヮを寫すにクハを以てするのが一般的だとかいつた傾向は見られる
(p.178)、とあるのの、いま強調したところをひいてゐるものがあつて、見てみる気になつたので。
ところで日本語学研究事典の四つ仮名の項には、東国においては、すでに鎌倉時代に四つ仮名の混乱があり、日蓮の文章などの表記の混乱の例が有名である
(松本宙、p.360)とあるけど、これは、辛島美絵、国語資料としての仮名文書 : 鎌倉時代のオ段長音の開合と四つ仮名の混乱表記を通して(国語学146)以前のはなしぢやないか、アップデートしてほしかつたなあ、と思つたのでした。
以下、目次を写しておく。
- 序 / 時枝誠記
- 緒論 / (遠藤嘉基) 4
- 第一篇 上代 / 阪倉篤義
- 序 3
- 時代區分
- 一 資料 4
- 奈良時代までの資料
- 奈良時代の資料
- 資料の性質
- 二 文字と文章 10
- 漢字漢語の移入
- 變體の漢文
- 眞假名の發生
- 國語表記の種々層
- 眞假名の種類
- 字體
- 三 音韻 17
- 假名と音韻組織
- 特殊假名
- 母音の種類
- 長母音
- 子音
- 濁音
- 撥音促音など
- 音節の結合
- 母音の交替
- アクセント
- 四 語彙 28
- 接頭語
- 接尾語
- 名詞の構成
- 副詞の構成
- 形容詞の構成
- 動詞の構成
- 語の位相
- 五 語法 36
- 代名詞
- 動詞
- 敬語法
- 形容詞
- 形容動詞
- 受身、可能の助動詞
- 使役の助動詞
- 時の助動詞
- 推量の助動詞
- 打消の助動詞
- 所謂断定の助動詞
- 格助詞
- 係助詞
- 接續助詞
- 終助詞と間投助詞
- 六 外來語 50
- 七 方言 51
- 東國方言
- 音韻
- 語法
- 語彙
- 第二篇 中古 / 遠藤嘉基
- 序 57
- 一 カナ文字 57
- 二 歌語と口語 63
- 三 口語から文語へ 67
- 四 資料の諸相 72
- 五 音韻 81
- 六 語法 94
- 七 語彙 104
- 第三篇 中世 / 濱田敦
- 第一章 序説 111
- 時代區分
- 時代の概觀
- 文語と口語
- 資料
- 外國資料
- 第二章 音韻 116
- 母音
- 鼻母音
- 子音
- 拗音
- 撥音、促音
- 長音
- 連聲
- 第三章 語法 128
- (一) 形容詞、形容動詞 128
- 形容詞
- 形容動詞
- 敬語法
- (二) 動詞 131
- 二段の一段化
- サ行變格
- 連體形と終止形との合一
- 音便
- 命令形
- 敬語法
- (三) 助動詞 140
- 受身
- 使役
- 時
- 推量
- 打消
- 指定
- 希望
- 比況
- (四) 助詞 150
- 格
- 副
- 接續
- 係
- 終、間投
- 第四章 結語 155
- 第四篇 近世 / 池上禎造
- 一 總説 161
- 二 音韻・文字 169
- 三 語法(上) : 活用 179
- 四 語法(中) : 助動詞 186
- (一) デアル ヂャ ダ
- (二) ヌ ナンダ ナイ ナカツタ
- (三) ウズ ウ ヨウ ベイ
- (四) ゲナ サウナ ヤウナ マイ
- (五) タ ケ
- (六) タイ テホシイ
- (七) スル サスル セル サセル
- (八) ルル ラルル レル ラレル
- 甲 丁寧語
- (1) オヂャル ゴザル ゴザリンス ゴザンス オザンス ザンス ザマス オマス オス
- (2) デス デアリマス
- (3) マス ンス ヤンス ヤス
- 乙 尊敬語
- (4) ルル ラルル
- (5) セラルの系統
- (6) ヤル
- (7) アソバス アル ナサル メサルル クダサル タモル
- 丙 謙讓語
- 五 語法(下) : 助詞 200
- 一 格助詞
- ノ・ガ
- ヘ
- ト
- 二 接續助詞
- 〔假定〕
- 〔理由〕
- 〔逆接〕
- テ
- シ
- 三 副助詞
- ダケ キリ
- ホカ ヨリ シカ
- 四 終助詞
- ナ
- マデ
- サ
- ゼ
- 六 語彙 205
- 參考文獻 211
- あとがき / (濱田敦)
- 索引
;河出書房新社;1,500円(借覧);四六判;縦組;上製;208頁;;ISBN978-4-309-01814-0;
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