未発選書13;ひつじ書房;2,800円(借覧);四六判;縦組;上製;6+351頁;;ISBN978-4-89476-352-4;
- はじめに
- 序章 「女ことば」に対する二つのアプローチ
- 1 本質主義・進化論的アプローチ 13
- 2 本質主義・進化論的アプローチの問題点 16
- 女房詞は「女ことば」の起源なのか
- 多様に異なる女の言語行為
- 「女ことば」本質主義の否定
- 女の言葉づかいは「最近」乱れたのではない
- 3 構築主義・イデオロギー的アプローチ 24
- 「構築主義」のジェンダー
- 「言語イデオロギー」とは何か
- 「言語イデオロギー」の四つの特徴
- 「女ことば」イデオロギーと言語行為の関係 : 資源と制限
- 「女ことば」イデオロギーの構築 : 「ついて語る」言説とフィクション
- メタ言語的実践
- 本書の目的 : 「女ことば」の歴史的形成過程
- 第一部 規範の対象としての女の言葉づかい
- 一章 「女の話し方」イデオロギーの創生
- 1 鎌倉・室町時代の女訓書 44
- 2 江戸時代の女訓書 46
- 初期の女訓書
- 苗村丈伯『女重宝記』(元禄五年1692)
- 後記の女訓書
- 消息型
- 3 「女の話し方」イデオロギー : 管理・支配されるべき女と言語の関係 57
- 「女の話し方」イデオロギーが言語行為に与える影響
- 「つつしみ」に変化する支配
- 二章 「女房詞」の規範化 : 「女の話し方」に回収される女の創造的な言語行為
- 1 女房詞を示す言説 64
- 2 女房詞に対する批判 65
- 3 高い地位を表象する女房詞 : メディアが与えた価値 67
- 4 男が使う女房詞 73
- 5 男は女房詞を使うなという言説 77
- 6 規範となった女房詞 : 辞書・女訓書 80
- 『日葡辞書』から『日本大文典』へ : 女房詞は女の言葉
- 女房詞を採集した女訓書 : 女房詞は女の規範
- 規範にされた女の創造的な言語行為
- 第二部 ジェンダーと「国語」 : 明治の国民国家成立と「女ことば」
- 家族国家観
- ジェンダー化された国民化
- 国家・国語・ジェンダー
- 三章 「男の国語」の創生
- 東京語を基準とした「標準語」
- 1 言文一致論争が問題にしなかった言葉の性差 98
- 性差に言及しない言文一致主義者
- 認識されていた言葉の性差
- 言文一致主義者の良妻賢母主義
- 2 「男子の標準語」の創生 : 「国語」にはジェンダーがあった 104
- 語られずに達成された「男の国語」
- 四章 「女の話し方」イデオロギーの完成
- 1 江戸時代の教訓を増幅する女訓書 111
- 2 女訓書において「女の話し方」イデオロギーを維持するために使われた論拠 111
- 男女の権利は自ずから異なる
- 天皇の臣民としての女の言葉づかい : 賢母の言語教育
- 女の言語能力に対する批判 : 良妻賢母に求められる能力
- 3 修身教科書において「女の話し方」イデオロギーを維持するために使われた論拠 116
- 女の言葉づかいに対する特別な規範
- 天皇の臣民としての言葉づかいの規範
- 「言葉をつつしめ」から「言うべき時は言え」へ
- 女の言語行為に対する規範・ステレオタイプ・批判
- 五章 「女学生ことば」の構築 : セクシュアリティに回収される女の創造的な言語行為
- 1 服装に見る「女子学生」から「女学生」への変遷 128
- 2 性別化 : 「書生言葉」の否定 134
- 3 選択 : 「てよ・だわ言葉」と西洋語を選んだ言文一致小説 138
- 女子学生の言葉づかいに対する批判
- 女子学生の多様な言葉づかい
- 言文一致小説家が選択した「てよ・だわ言葉」
- 4 否定 : 〈軽薄さ〉との結び付き 145
- 女が使う西洋語
- 5 セクシュアリティー化 : 「てよ・だわ言葉」から「女学生ことば」へ 149
- 「てよ・だわ言葉」の普及
- 性の対象物となった女子学生
- セクシュアリティの「女学生ことば」
- 標準語のセクシュアリティ
- 6 「女学生ことば」という言語イデオロギー 158
- セクシュアリティのジレンマ
- 「改訂女学生ことば」
- 7 指標性の構築 : 「ジェンダー化された国民化」と女の創造的言語行為 162
- 同時に作り出された「女学生ことば」と「女学生」
- 「ジェンダー化された国民化」と「女学生ことば」
- セクシュアリティに回収される女の言語的創造性
- 六章 「国語」の男性化 : 「内なる他者」としての女子国民
- 1 メタ言語的実践としての口語文典・国語読本 171
- 国語学者が制定した「国語」
- 国語科の設立と口語文の採用
- 国語学者のメタ言語的実践
- 2 女の言語要素の構築と排除 177
- 文典に表記されない男性性
- 例外として表記された女性性
- 3 「書生言葉」の「国語」への採用 : 「女学生ことば」の排除 180
- 「女学生ことば」と「書生言葉」
- 口語文典における「書生言葉」と「女学生ことば」
- 新保磐次の『日本読本』
- 国語読本における「書生言葉」と「女学生ことば」
- 国語読本における良妻賢母読み物の採用
- 4 「国語」の創生とジェンダー 189
- 反復するジェンダー化
- 国民化と言語イデオロギー
- 女性化された言語イデオロギーが支える「国語」の男性性
- 「内なる他者」としての女子国民
- 「国語」・男性性・言語要素の結び付き
- 第三部 女の国民化と「国語」 : 近代総力戦の「女ことば」
- 七章 天皇制国家の伝統となった「女ことば」 : 植民地支配の正当化
- 1 「女ことば」の起源は女房詞と敬語である 204
- 天皇制と女房詞
- 世界に誇る日本語の敬語
- 起源の捏造・伝統の創造
- 2 日本の誇りとしての「女ことば」 211
- 3 「国語」の守護者としての女子国民 : 天皇制国家の伝統の継承者 212
- 国語の教師としての女子国民
- 国語の教育をおこたる女子国民
- 皇国臣民の「国語」
- 4 植民地の「国語」と「女ことば」 218
- 八章 「ジェンダー化された国語」の創生 : ジェンダーが担う近代と伝統の相克
- 総動員体制と歓迎された「女の国民化」
- 「銃後の守り」と家族制度
- 「女の国民化」と「国語」のジェンダー化
- 1 「女ことば」を標準語の周縁に位置付ける 228
- 男の言語を標準口語の基準とする
- 女の言語を例外とする
- 2 「国語」のジェンダー化 234
- 言葉づかいのジェンダー化
- 言語要素のジェンダー化
- 「国語」になった「女学生ことば」
- 3 国語読本によることばの性差の教授 244
- 一人称詞における性差の教授
- 文末詞と感嘆詞における性差の教授
- 「ジェンダー化された国語」と家父長制
- 4 「女ことば」と女の国民化 255
- 天皇制・家父長制の伝統を担う「女ことば」
- ジェンダーが担う近代と伝統の相克
- 変化が許されない「女ことば」
- 第四部 「女ことば」の脱政治化・本質化 : 「女らしさ」の戦後
- 九章 自然な「女らしさ」の象徴となった「女ことば」
- 1 「女ことば」をめぐる言説の闘争 268
- 男女の不平等を生み出す「女ことば」
- 女の発言を妨げる「女ことば」
- 2 「女ことば」本質化の言説 271
- 「先天的女らしさ」に基づく「女ことば」
- 「先天的女らしさ」の矛盾
- 社会的平等と生物学的性差を区別する
- 社会的な「女ことば」と自然な「女ことば」
- 「女ことば」批判に対抗して生まれた本質化
- 一〇章 「ジェンダー化された国語」の再生産 : 天皇制からの切り離し
- 1 敗戦・占領と無縁だった文法書 283
- 2 天皇制国家の伝統から切り離された「女ことば」 285
- 脱「女房詞起源論」
- 脱「天皇制国家の伝統論」
- 「女ことば」四つの特徴の維持
- 「敬語と女ことば」の維持
- 3 「墨ぬり教科書」における「国語」の性差の教授 290
- 「墨ぬり教科書」とは
- 教育における男女平等
- 国語の性差を教えつづけた「墨ぬり教科書」
- 4 国語教科書における「国語」の性差の教授 293
- 一人称詞における性差の教授 : 「わたし」と「ぼく」
- 文末詞における性差の教授
- 5 米国占領による民主化とジェンダーの本質化 301
- 国語学者と人権意識
- 「女ことば」を残したかった知識人
- 日本人のよりどころとしての「女ことば」
- 家族制度を破壊する男女平等
- ジェンダーの本質化
- まとめ : ジェンダー化された言語イデオロギーを超えて 312
- 参考文献 324
- あとがき 343
- 索引 351
;溪水社;1,000円(借覧);B6判;縦組;並製;iii+116頁;;ISBN4-87440-766-8;
;新潮社;1,700円(借覧);四六判;縦組;上製;247頁;;ISBN4-10-463102-7;
冴子の背景とか、千代子の内心とか。映画でオダギリジョーのやつてたキャラはずいぶんちがふ感じ。といふか、宮﨑あおい――こなひだたまたまテレビをつけたら、パートナーのかたが彼女のことを「あおき」と呼んでゐるむね発言してゐた。そしてけふ、女性誌のところで女の子2人が、そのことを話してゐるのがきこえた――は膝枕なんかしなくても、肩に手を置
くくらゐのでよかつたと思ふなあ(p.244)。映画版はかなり母性が強調されてて、だうも気持ちわるかつた。
長旅に居穢く疲弊しきった男たち
(居穢にいぎたな
とルビ、p.19)。梢の顔に嫌悪が氾がるのを認めて
(p.121)。
「春秋」「未来」(各11月号)もらふ。春秋誌で、HAYEKを読みなおす、といふ連載がはじまるみたいで、第1回は、松原隆一郎、世界はむしろハイエクから遠ざかっている。リフレ派についてもなんか書いてあつた。松原氏は、橋本努の大学院での指導教官だつたんだなあ。春秋の窓欄で、佐藤真の自殺を知る。
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