山田孝雄と上代特殊仮名遣とにもかかはることなので、the view from nowhere : 2007-08-31 (Fri)のコメント欄に追記しようかとも思つたのだけれど、ここに写しておく。安田尚道[2004]、橋本進吉は何を発見しどう呼んだのか : 上代特殊仮名遣の研究史を再検討する(国語と国文学81(3)、pp.1-15)を見かへしてゐたら、注8で、安田喜代門、国語の本質、同二に以下のやうな記述があることが紹介されてゐた。以下孫引き。
とにかく仲のよい山田さんの直話であるが、明治四十年の頃、東京帝国大学の国語研究室に石塚竜麿の仮字遣奥山路と言う本があることお知って閲覧お願出たがどおしても見せてくれない、橋本進吉氏が借出しッ放しで何年経っても研究室に戻って来ない。山田さんわ文部省の国語調査会の補助委員か委員おしている時代である。山田さんが一癖ある書物だと気付いたのわ、国語学書目解題の説明お読んだためである。其の書物わ明治三十五年に東京帝国大学蔵版で吉川半七の発行したもので、赤堀又次郎氏が言語取調所の事業の一部として〈略〉協力して作ったのが始まりで、明治二十三年に其の取調所が解散になり帝国大学に蔵本などが寄贈になったとき其の稿本も大学に移され、〈略〉明治三十三年九月十日完成したもので、其の解説お読んでみると、竜麿の研究わ古事記伝お承けたもので、内容にわ後の研究から見ると不備な様でもあるが大体あれでよろしい。記・紀・万葉の字音による仮名遣で
又詞により音は同じけれども、あてたる字に一の慣例あることを考へたるなり、
とある部分が後の研究からわ不徹底であると言う人も有ろおが書物の解説としてわ正しい。とにかく山田さんわ其れお読んでクサイ・一癖あると睨んで読んでみよおとしたら、橋本さんが見せなかった、と言う話である。
さて其の国語学書目解題の仮字遣奥山路の所お読んで山田孝雄氏が、クサイと見て、文部省国語調査会補助委員のとき助手の橋本に借りて見たいと申入れたら自分が借出中とかで見せてくれなかったと、御本人からの直話、明治四十三年頃のこと。
;紀伊國屋書店;2,800円(借覧);200x150mm;縦組;上製;326頁;;ISBN4-314-00982-9;
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