;勁草書房;4,700円(借覧);A5判;縦組;上製;xii+312+xii頁;;ISBN978-4-326-10173-3;
目次を写しておく。
- はじめに
- 序章 「土曜日の朝」と一九五〇年代オックスフォード 1
- 1 「土曜日の朝の集い」とオースティン 1
- 2 「一九五〇年代オックスフォード」という場所 4
- 3 「言語コミュニケーションの哲学」へ 9
- 4 本書の目的 17
- 第I部 言語行為論の三つのドグマ
- 第一章 一発話主義のドグマ : 発話内の力はどこに宿るのか 23
- 1 三つのドグマとは 23
- 2 あらかじめ前提された一発話主義 25
- 3 一発話から会話シークエンスへ 32
- 4 「会話の格率」と会話シークエンス 37
- 5 一発話シークエンス 41
- 6 「言葉が意味すること」と「言葉をもちいて私たちが行うこと」 44
- 第二章 慣習主義のドグマ : オースティンの奇妙な論拠をめぐって 47
- 1 「規約」か「慣習」か 47
- 2 オースティンの奇妙な論拠(1) : 行為遂行的発話と自己検証的言明 50
- 3 オースティンの奇妙な論拠(2) : あらかじめ前提された「中心からの道」 58
- 4 別様の道 67
- 第三章 「発話内の力」のドグマ : あらかじめ混同された二つの「力」 75
- 1 二つの「発話内の力」(1) : 発話が発揮する力 75
- 2 二つの「発話内の力」(2) : 発話を成り立たせる力 77
- 3 オースティンにおける「力」の両義性 86
- 4 両義性の要因と弊害 : あるいは「分類表モデル」という描像 91
- 第II部 話し手の意図について
- 第四章 グライスの重層的意図説 107
- 1 「意図」をめぐる二つの問い 107
- 2 なぜ重層的な意図なのか 109
- 3 グライス説は「強すぎる」のか 114
- 4 グライス説は「弱すぎる」のか : 反例と意図の増殖 118
- 5 執行的意図とコミュニケーション的意図 125
- 6 重層的意図から相互顕在性へ : 内的アプローチから離れて 130
- 第五章 意図主導型と慣習主導型 135
- 1 タイプ分けと話し手の意図 135
- 2 「意味すること」と「意味してしまうこと」 136
- 3 「内分け」構図と「外分け」構図 139
- 4 「外分け」構図の二つの問題点
- 5 「移行領域」そのものとしての慣習主導型言語行為 151
- 第六章 意図のミニマリズム 157
- 1 二種類の意図と構成的意図 157
- 2 執行的意図のミニマリズム 159
- 3 「世界との適合」論 167
- 4 構成的意図のミニマリズム 177
- 第III部 発話解釈と行為生成
- 第七章 行為理解と発話解釈 187
- 1 ミニマリズムの限界と再構築の道 187
- 2 「意図の二つの顔」 190
- 3 行為戦略と行為理解 198
- 4 意図把握と解釈プロセス 206
- 第八章 発語内行為の生成 217
- 1 発話解釈のミニマリズム 217
- 2 発話解釈のプロセス(1) : 行為タイプ~行為指示型 226
- 3 有標の発話と無標の発話 234
- 4 発話解釈のプロセス(2) : 信念タイプ~主張型と心情表現型 245
- 5 発話解釈のプロセス(3) : 信念タイプ~行為拘束型と宣言 255
- 終章 言語とコミュニケーションの関係と無関係 269
- 1 発語内行為に結びつくもの 269 #
このように、本書で見いだした「事態の提示」を軸とする発語内行為生成のプロセスは、言語とコミュニケーションの関係にかんする目的論的見方への解毒剤としても有効なように思われる。「コミュニケーションのために言語は生まれた」といったたぐいの見方は、「陸上生活のために肺は発達した」というのと同様の倒錯といえる。魚の消化管の一部がたまたま呼吸に使えたから陸上生活が可能になり、肺として発達したにすぎないのと同様に、言語の表象機能がたまたまコミュニケーションに使えたから、あたかもそれが本務であるかのような発達を言語は遂げた。それなら言語はもともと何のためのものかといえば、おそらく何のためでもないのである。自然的な因果連関とは関係なく何かが何かまったく別のものを表す、という考えてみればひどく不自然なこと――たとえば、猫には絶対に理解しえないだろうこと――を理解し、構成する能力を、人間は進化の途上なぜか身につけた。事実はおそらく、それだけのことなのである。(p.274)- 2 そもそもなぜ発語内行為なのか 274
- 注 285
- あとがき 309
- 文献
- 索引
;青土社;1,800円(借覧);四六判;縦組;上製;224頁;;ISBN978-4-7917-6343-6;
シリーズ・道徳の系譜;河出書房新社;1,500円(借覧);四六判;縦組;並製;202頁;;ISBN4-309-24395-9;
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