;汲古書院;(借覧);A5判;縦1、3段組;上製;5+1+335+631頁;;ISBN978-4-7629-3550-3;
小林芳規博士とは、數十年に亘つて、訪書旅行の回を重ね、訓點資料の調査資料は、お互に交換し合つて轉寫をしたりした。暫く前から、これら共同で蒐集した訓點本の抄録資料について、訓點語彙を編纂する話が起り、色々相談を重ねた結果、小林博士が平安時代前半期(西暦一〇〇〇年まで)、編者が平安時代後半期(西暦一〇〇一年以後)を擔當することとなり、夫々獨自の方針で編纂することで協議が纏まつた、とあるから(「たり」をくりかへさないで使つてらつしやるなあ)、いづれそちらも刊行されるのかなあ。すごいことだ。
- 自序 (1)
- 訓點語彙總觀 1
- I 資料論 1
- 一 國語の歴史の潮流 1
- 二 平安時代語研究の足跡 2
- 三 訓點語彙の年代的分類 4
- 四 訓點資料の語彙の數量的性格 5
- 五 漢文訓讀の社會的背景 7
- 六 漢籍の訓讀と佛典の訓讀 10
- 七 『日本書紀』の訓讀とその特徴 13
- 八 佛典の訓點資料 18
- 九 『妙法蓮華經』と『大般若波羅蜜多經』 20
- 十 史傳・説話・四六駢儷體の訓點資料 23
- 十一 漢籍訓點資料の訓點語彙 27
- 十二 『日本靈異記』の和訓 29
- II 語性論 30
- 一 訓點語彙特有の語構成 30
- (1) 訓點語彙特有の名詞の語構成 : 動詞の連用形の名詞化した形 30
- (2) 訓點語彙特有の動詞の語構成 : 複合動詞 31
- (3) 訓點語彙特有の動詞の語構成 : サ變動詞 32
- (A) 名詞+サ變動詞「ス」 33
- (B) 動詞連用形+サ變動詞「ス」 34
- (C) 形容詞連用形「―ク」+サ變動詞「ス」 34
- (D) 名詞・語句+助詞「ト」+サ變動詞「ス」 34
- (E) 名詞・副助詞+助詞「ニ」+サ變動詞「ス」 35
- (F) 助詞「テ」+サ變動詞「ス」 35
- (G) 形容詞語幹+接尾語「ミ」+サ變動詞「ス」 35 #カロンズルもヨミスやサミスと同様ミ語法だつたのだなあ。
- (4) 名詞+動詞を作る接尾語「ナフ」 37
- (5) 形容詞未然形の推量法「―ケム」 37
- (6) 形容詞の所謂カリ活用の用法 37
- (7) 名詞+副詞を作る接尾語「ヅカラ」 38 #⑥になつてゐる。
- 二 訓點語彙における上代語の殘存 38
- ク語法 38
- ユ・ラユの殘存 41
- 已然形の條件法 42
- 副詞「あに」「けだし」「むしろ」等 42
- 「―ケシ」型形容詞の形容動詞化 43
- 三 否定表現に伴つて生じた訓點語彙 44
- 四 訓點語彙に見られる音韻的特徴 : 音便に關する特質 45
- (1) イ音便の音節を含む語彙 46
- (2) ウ音便の音節を含む語彙 47
- (3) 撥音便の音節を含む語彙 47
- (4) 促音便の音節を含む語彙 49
- 五 訓點語彙に見られる音韻的特徴 : 母音・子音の交替 50
- (1) 母音交替 52
- (2) 子音交替 53
- バ行音とマ行音との交替 53
- マ行音とナ行音との交替 54
- 語頭の濁音 54
- 後世と清濁が異なる語彙 55
- 六 訓點語彙の語法的特徴 56
- 七 字音語の和音化 58
- III 訓點語彙と和文語彙との關聯 59
- 一 訓點語彙と和文語彙との表現對象の相違 59
- 二 訓點語彙と和文語彙との對立 64
- 三 訓點語彙の敬語體系 65
- 四 訓點語彙の中の和文語彙 66
- 五 假名文學作品の中の訓點語彙 69
- ヲコト點概要 77 #
未だ一般には確認されてゐないかあ。
- 一 特殊點 79 #図のキャプションでくりかへし出てくる
〔聲點基本概念圖〕とか〔聲點壺圖〕とかいふのは星點のあやまりなのかなあ。- 二 第一群點 80
- 三 第二群點 85
- 四 第三群點 90
- 五 第四群點 93
- 六 第五群點 95
- 七 第六群點 101
- 八 第七群點 103
- 九 第八群點 104
- 十 俗點(漢籍點本) 105
- 十一 假名點本 108
- 十二 ヲコト點とその使用流派 110
- ヲコト點系統略圖 112
- 主要訓點資料 假名字體表 ヲコト點圖 奧書集 117
- 凡例 117
- 主要訓點資料 假名字體表・ヲコト點圖 120
- 主要ヲコト點圖 168
- 主要訓點資料 假名字體表 199
- 主要訓點資料 奧書集 235
- 「訓點語彙集成」凡例 253
- 「訓點語彙集成」和訓載録文獻一覽 263
- 「訓點語彙集成」和訓載録文獻五十音別索引 318
- 本文
- ア 1 #「アマノ」の項は「アマ」に統合してかまはないのではないかなあ。
- イ 331
索引本文の367ページに、イクハ〔常羽〕(地名)
、といふ項があつて、楊守敬旧蔵本将門記(以前、片倉本とされてゐるのをみたこともあるのだけど――たとへば、判例時報(昭和57年6月11日号、通巻1038号)の、「判例特報 一 古典「将門記」の訓読文を二次的著作物と認めた事例 二 右訓読文全文を著者に無断で写真複製して図書に収録することが正当な引用による利用とは認められなかった事例 : 古典「将門記」訓読文著作権侵害訴訟第一審判決(東京地裁57.3.8判決)」――、本書文献一覧では現蔵者は酒井宇吉になつてゐるから、いまは一誠堂にあるのかなあ)から2例がひかれてゐる。真福寺本承徳点にも、同訓があるし、諸橋大漢和にも明治新撰姓氏録なる書を典拠として、イクハといふよみと、姓氏といふ説明があるから、常羽といふ文字列にイクハ訓があるのはまちがひないのだらう。
まうすこし将門記をながく引くと、1例は、上野守ニハ
、といふ新皇将門が百官を任ずるところに出てくるのだけれど、類似の文が後代の軍記にもあつて、たとへば、源平盛衰記には、常羽御厩別当多治経明常陸介に任ず
、とある。ところが、有朋堂文庫本では、常羽に、ときは
とルビがふつてあり、また蓬左文庫蔵写本では、ツネハ
と傍訓がある。また、前太平記には、常羽御厩別当多治経明は常陸介
に、ときは
とルビがあり(叢書江戸文庫所収のものによる)、将門純友東西軍記には、常盤御厩ノ別当多治ノ経明ハ。常陸介ニ
とあつて(続群書類従所収のものによる)、常羽をイクハとよんでゐる例が1例もなくて(活字本によつたものはいつつけられた傍訓だかわからないけれど)、常用的な訓ではない、難訓に類するものだつたのだらうと思はれる(任国もことなるし、これらは将門記とはことなる出自をもつ記事なのかもしれない)。
一体、イクハといふ語に常羽といふ文字列をあてたのは「常」字のいかなる訓義によるものなのだらうか。
ジャンプ・コミックス;集英社;390円(1割引);新書判;;並製;190頁;;ISBN978-4-08-874384-4;
集英社新書[0328-A];集英社;680円(借覧);新書判;縦組;並製;205頁;;ISBN4-08-720328-X;
岩波テキストブックスα;岩波書店;1,600円(借覧);A5判;縦組;並製;xi+159+3頁;;ISBN4-00-028041-4;
講談社現代新書1482;講談社;660円(100円);新書判;縦組;並製;224頁;;ISBN4-06-149482-1;「「家族と郊外」の社会学」改訂増補
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