弘法大師の教育 下巻;思文閣出版;8,400円(借覧);A5判;縦組;上製;7+446頁;;;
一往目次を写しておく。
- まえがき
- 第一章 「いろは歌」作者をめぐって
- 色葉歌作者説 / 黒川真頼 3
- いろは考 / 佐藤誠実 9
- いろは考を駁す / 三島孝蔵 17
- 色葉歌の作者は空海に非さるを論ず / 鈴木暢幸 23
- 弘法大師 伊呂波製作のこと / 上野紀士 35
- いろはと五大 / 久米邦武 59
- 教育上に於ける弘法大師 / 谷本富 73
- いろは歌と五十音図 / 六大新報社 79
- 五十音図考 / 畠山太郎 85
- 第二章 「いろは歌」作者費空海説確定の時代
- 伊呂波歌 / 大矢透 107
- 『音図及手習詞歌考』を読む / 吉沢義則 159
- いろは歌の作者 / 高野辰之 167
- 今様の音数律 / 志田延義 171
- いろは歌と五十音図の御製作 / 蓮生観善 177
- 伊呂波并五十音図に関する考察 / 守山聖真 185
- 国語学と弘法大師の功績 / 新村出 225
- 大師のいろは歌と五十音図 / 長谷宝秀 229
- 弘法大師と『いろは』歌 / 加藤咄堂 245
- 大師筆「以呂波歌」の検討 / 高田定吉 249
- 色葉歌の年代に関する疑問 / 岡田希雄 259
- 仮名私考 / 黒木拝石/荻野謙堂 319
- いろは歌作成年代考 / 宮嶋弘 335
- 平仮名と弘法大師 / 築島裕 353
- ひらがなの成立と空海 / 平山観月 359
- 伊呂波の作者と年代 / 高橋愛次 367
- 第三章 『実語教』の撰者
- 実語教の撰者と撰作年代 / 石川謙/石川松太郎 373
- わが国における実語教の盛行と終焉 / 酒井憲二 377
- 解説 / 小山田和夫 387
- 「弘法大師空海の教育」関係文献目録
私が思ふのに、我が世誰れぞえ、常ならむとあつても語法としては誤が無いのだから、都で作られたら斯うあつただらうに、「え」の無い事情からすると、どうも地方巡錫中の作かと思ふ(p.349)といふのは亀井孝よりはやいんぢやないの、と思つたのだけれど、ちやんとたしかめないとわからない(宮嶋論文の初出は、
『立命館文学』第七三・七四合併号、一九四九年一一月)。
左近義弼氏は、「いろは歌」の表面の自力に源を発する仏教、その内面には大乗の他力本願に映え出るキリスト教の贖罪観が満ちていることを述べ、その作者は多数決に随って弘法大師と信じ、景教とキリスト教の関係を究めた先覚者の中には、第一の「い」と第三四の「え」と第四七の「す」とを繋ぎ、「イエス」と成り、「い」と「え」の間の字数は、イエスの年齢と合致し、また各行の終りの字を並べると、「咎なくて死す」と贖罪の死を表わしていること、さらに各行の頭文字を並べると、「イチ(出で征かしむ)」、「ヨラ(燔祭)」、「ヤアヱ(主)」と、神の愛に基づく福音の救済を示していることを説く者もいることを述べ、「いろは歌」の持つ深い真意を探る必要があることを説かれた(p.403)とか、真鍋頼行の
文治年間に藤原頼長によって作詠された(p.421)といふ説とか、あるもんだなあ。


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