the view from nowhere : 2007-05-05 (Sat)

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やの・せーいち(矢野誠一);2002/8;荷風の誤植;

;青蛙房;1,900円(借覧);四六判;縦組;上製;204頁;;ISBN4-7905-0412-3;

「根岸の里の佗住居」(と「昔問答ありし寺」)の考案者は、初代柳家小せん「失明するまで」によれば、入船亭扇橋である由(p.26)。といふのは、レファレンス協同データベースにもあつた。

にしむら・けんた(西村賢太);2006/12;暗渠の宿;

;新潮社;1,400円(借覧);四六判;縦組;上製;158頁;;ISBN4-10-303231-6;

藤澤清造といふ作家のことははじめて知つた。

その藤澤清造のゴシップを紹介したなかに国語国字改革以前のまぜがきの例があつたので、孫引きしておく。文壇稀に見る正義派として、自他ともに許してゐる藤澤清造(中略)恋人といふのは、毎月同人雑誌の印刷を頼んでゐる印刷所の娘なのだが、それがいよ〳〵結婚といふことにまで進んで来て、こゝに思ひ設けぬ一大難関にそう遇した(p.73)。もとは、『週刊朝日』昭和六年七月十二日号所載「文壇噂ばなし」(p.74)で、作者の推定によれば、おそらくは清造の友人で、その告別式には総代のひとりをつとめた、文藝春秋社の鈴木氏亨の筆によるものであろう、とのこと(p.76)。

いとー・ひでとし(伊藤英俊);1996/11;漢字文化とコンピュータ;

中公PC新書9;中央公論社;757円(100円);新書判;縦組;並製;186頁;;ISBN4-12-510010-1;

そういえば古い話を思い出した。田中角栄の戸籍上の文字も中棒の長いだと聞いたことがある。なんでも首相に就任した際、ある新聞社は敬意を表してわざわざという字を外字として作成し、その字で新聞を印刷していたという。

これは、どこなのかな(といふか、こちらの期待するとほりの表示がされてゐるのかしら)。

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森 洋介
 『週刊朝日』は新聞社の雜誌ですから。ご承知のやうに新聞は經費削減上からも漢字制限に熱心だったので、戰前から各紙に交ぜ書きが結構見られます。例へば、柳田國男が書いた朝日新聞論説に「標ばう」「はん布」等の表記が含まれることが『柳田國男全集27』でも確かめられます。
猪川
御教示有難うございます。さういへば以前、永嶺重敏「モダン都市の読書空間」をみてゐて、新聞にははやくから交ぜ書きが使はれてゐたのだなあ、とは思つたのですが、「週刊朝日」誌が新聞社のものだからといふのには気づきませんでした。なるほど。柳田の全集にもあるのですね。交ぜ書きはしばしば、当用漢字の非としてせめられるやうに思ふのですが、かうした連続の相のあることも知つておきたいものだ、と思ひメモしておいた次第です。
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