the view from nowhere : 2006-09-06 (Wed)

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佐藤誠実[著]、瀧川政次郎[編];1991/9;佐藤誠実博士律令格式論集;

;汲古書院;(借覧);A5判;縦組;上製;4+3+415頁;;;

立心偏に送のタシカニといふ字が「愜」字の変形であるといふのは、故佐藤誠實博士の所説、と三矢重松が書いてゐるのは、「字體考」での説なのかな、と思つて借りてきたのだけれど、違つた。残念。まうすこし探してみないと。この論集を編んだときにあつめたはずの論文の目録も載せておいてくれたら便利だつたのになあ。解説で、

七・八世紀における唐は、當時知られていた世界における最高の文明國であり、最大の強國であって、唐が日本に加えた壓力は、十九世紀の列強が日本に加えた壓力よりも大きい。當時の日本が軍事、外交、政治の上で獨立を保持したことは事實であるが、文化的には殆ど全く唐の支配下にあったのであって、文物制度すべて唐を以て範とし、唐に追從して及ばざらんことを是れ畏るというのが、當時の日本の指導者の態度であった。故に飛鳥奈良の日本は、新羅、渤海及び吐蕃、西夏等と同じく、唐文化圈に屬する一國であり、唐律令は當時の東洋諸國間の國際法であり、律令の法理は世界の公理であったのである。しかし、皇國を尚び、唐心を拝する國學者は、この史實を率直に認めようとはしない。故に國學者流の律令學者は、血眼になって日本令の唐令と違った點を探し出して、これを強調する。即ち彼等は日唐令の異を説いて、同を説かない。これに反して、「律令考」は日唐令の同を説いて、その異は藍本と本畫との相違に過ぎないとした。「律令考」の特色は、實に其處にあるといってよい。

と書かれてゐるのは、ちよつと強烈(pp.47-48)。以下に、目次をうつしておく。

  1. 口繪
    1. 佐藤博士遺影
    2. 佐藤博士書翰
    3. 佐藤博士遺稿
    4. 口繪解説
  2. 序 / 瀧川政次郎 1
  3. 佐藤博士の律令學 / 瀧川政次郎 17
    1. 佐藤博士の律令學 17
      1. はしがき 17
      2. 一 佐藤誠實略傳 19
      3. 付、文學博士佐藤誠實先生小傳 / 山本毅堂 20
      4. 二 佐藤誠實と『古事類苑』の編纂 28
      5. 三 明治文化と『古事類苑』編纂の方針 34
      6. 四 佐藤律令學の特色 42
      7. 五 佐藤律令學の功績とその影響 49
      8. 〔補遺〕元老院勅奏判任官履歴書 56
    2. 『古事類苑』法律部と佐藤誠實 58
  4. 解題 63
  5. 甲篇
    1. 第一 律令考 115
    2. 第二 弘仁格式序約解 151
    3. 第三 貞觀格序約解 171
    4. 第四 貞觀式序約解 185
    5. 第五 上延喜格式表約解 201
    6. 第六 延喜格序約解 211
    7. 第七 延喜式序約解 225
    8. 第八 延喜式序約解餘論 241
    9. 第九 官曹事類考 249
    10. 第十 天長格抄考 253
    11. 第十一 類聚三大格考 255
    12. 第十二 揚名考補 261
    13. 第十三 揚名考補之餘 265
  6. 乙篇
    1. 第一 續日本紀を上る表の約解 271
    2. 第二 文武天皇即位前紀約解 297
    3. 第三 類聚國史考 305
    4. 第四 古事記考 313
    5. 第五 宇治拾遺物語考 319
    6. 第六 紀長谷雄 331
    7. 第七 白鳳朱雀并法興元考 339
    8. 第八 韓國名義考 349 #カラは韓の字音起原説。任那、新羅も字音。コマは高麗が小馬の産地だつたから、粛慎は葦間人云云。
    9. 第九 呉をクレといふ考 367 #クレは伎楽の字音起原説。
    10. 第十 秦 371
    11. 第十一 字體考 375
    12. 第十二 訓點之誤 389
    13. 第十三 后宮表 397

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