the view from nowhere : 2006-08-18 (Fri)

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和漢比較文学会[編];1988/3;和漢比較文学研究の諸問題;

和漢比較文学叢書 第八巻;汲古書院;5,500円(借覧);A5判;縦組;上製;2+299+54+2+1頁;;;[執筆者]あいだ・みつる(相田満)/おーそね・しょーすけ(大曽根章介)/きん・ぶんきょー(金文京)/さじ・けーぞー(佐治圭三)/さとー・みちお(佐藤道生)/しょーじ・かくいつ(莊司格一)/すずき・よしあき(鈴木義昭)/たさか・じゅんこ(田坂順子)/つぼい・さなえ(坪井佐奈枝)/とくだ・まさのぶ(徳田政信)/にしはら・かずゆき(西原一幸)/やまぐち・ひろし(山口博)/やまね・たいすけ(山根對助)/り・ぼう(李芒、リー゠マン)/わたもと・まこと(綿本誠)

金文京「漢字文化圏の訓読現象」をよまうと思つて借りてきたもの。訓読では、中国語内での転倒をはじめとして、朝鮮の「口訣」(吐)、夷堅志に見える契丹俗語、ウイグル仏典の例、変体漢文では、朝鮮の誓記体や吏読体、元朝期の蒙文直訳体などを挙げ、さらには現代中国語文さへも一種の訓読現象によつてできたものだとしてゐる(また、字音でも「食べる」を意味する「吃」(喫)は北京音でchīと読むが、この語音の根拠は明らかでなく、一種の訓読みである可能性がある由)。本論文ではふれられてゐないけれど、ベトナムのことも知りたいなあ(近日、Nguyen Thi OANH「ベトナム漢文訓読について―『嶺南摭怪』を中心に―」といふ発表があるみたいだ)。

他には、「遠の朝廷」に軍事的な含みがあることを指摘する山口博「帷幄の裏: 北塞の家持」、一切経類音(決)の性格を字形や字音上の類似の故に混同される可能性の存する文字を弁別するための書物である「字様」とした西原一幸「図書寮本『類聚名義抄』所引の「類云」とは何か」なども面白くよんだ(池田証寿「図書寮本類聚名義抄と類音決」では、「類音決」 は字様の形式を持つ字書体の一切経の音義書としてゐる。西原一幸「独立の書誌範疇としての字様」『金城学院大学論集』国文学篇27号、もそのうち読まう)。

まえだ・とみよし(前田富祺)/のむら・まさあき(野村雅昭)[編];2005/3;漢字と日本語;

朝倉漢字講座1;朝倉書店;4,800円(借覧);A5判;横組;上製;x+266頁;;ISBN4-254-51531-6;

目次を写しておく。

  1. 序章 漢字のなりたち / 前田富祺(まえだ・とみよし)
    1. 1. 日本語としての漢字
    2. 2. 漢字のなりたち
    3. 3. 現代日本語の漢字の構造
    4. 4. 日本語文化との関わり
    5. 5. 日本語としての漢字のなりたち
  2. 第1章 漢字文化圏の成立 / 阿辻哲次(あつじ・てつじ)
    1. 1. 漢字文化圏とは
    2. 2. 朝鮮通信使の例
    3. 3. 中国最古の記録
    4. 4. 「漢文」文体の成立と普及の要因
    5. 5. 統治上の意義
    6. 6. 表意文字としての漢字
    7. 7. カトリック世界との比較
    8. 8. 漢字文化圏の時期
    9. 9. 漢字文化圏内の古代日本
    10. 10. 外交のための漢字
    11. 11. 中華思想と朝貢
    12. 12. 朝貢という外交形式
    13. 13. 漢字文化圏の発展
  3. 第2章 漢字の受容 / 沖森卓也(おきもり・たくや)
    1. 1. 文献に記された漢字の伝来
    2. 2. 漢字による日本語表記
    3. 3. 「形」を中核とする受容
    4. 4. 「音」を中核とする受容
    5. 5. 「義」を中核とする受容
    6. 6. 漢字の受容からの広がり
  4. 第3章 漢字から仮名へ / 内田賢徳(うちだ・まさのり)
    1. 1. 倭語を写すこと
    2. 2. 倭語を記すこと
    3. 3. 訓字の多様と仮名
    4. 4. 訓字と仮名の共存へ #滋賀県北大津遺跡の音義木簡の「誈(誣) 阿佐ム加ム移母」の出典を左伝襄公14年伝杜預注ではないかとしてゐる(p.73)
    5. 5. 人麻呂歌集,古事記
  5. 第4章 あて字 / 木村義之(きむら・よしのり)
    1. 1. あて字の自覚と認識
    2. 2. 日本語表記におけるあて字の位置
    3. 3. あて字への関心と用語の成立
    4. 4. 近代とあて字
    5. 5. 国語施策とあて字
    6. 6. コンピュータとあれ字
    7. 7. あて字研究の課題
  6. 第5章 国字 / 佐藤稔(さとー・みのる)
    1. 1. 国字とは何か?
    2. 2. 『漢字要覧』における「本邦製作字」
    3. 3. 国字の製作動機と機能
    4. 4. 造字法
    5. 5. 字形の問題
    6. 6. 国字と位相
    7. 7. 残された課題
  7. 第6章 漢字と送り仮名 / 近藤尚子(こんどー・たかこ)
    1. 1. 送り仮名とは
    2. 2. 送り仮名の変遷
    3. 3. 送り仮名法の変遷
    4. 4. 現行の「送り仮名の付け方」
    5. 5. 現代における送り仮名法とその問題点
  8. 第7章 振り仮名 / 矢田勉(やだ・つとむ)
    1. 1. 日本漢字の特殊性と振り仮名の要請
    2. 2. 振り仮名の用途と表記的機能
    3. 3. 振り仮名の成立
    4. 4. 振り仮名の展開
    5. 5. 振り仮名廃止論と擁護論
  9. 第8章 漢字と語彙 / 田中章夫(たなか・あきお)
    1. 1. 日本人の表記意識
    2. 2. 字音・和訓と語彙
    3. 3. 同音語と同表記語
    4. 4. 外来語の漢字表記
    5. 5. 基本漢字と基本語彙
    6. 6. 漢字の基本度
  10. 第9章 文章と漢字 / 白藤禮幸(しらふじ・のりゆき)
    1. 1. はじめに
    2. 2. 仮名文学と漢字
    3. 3. 漢文体歴史書と漢字
    4. 4. 説話集の漢字
  11. 第10章 字書と漢字 / 高梨信博(たかなし・のぶひろ)
    1. 1. はじめに
    2. 2. 字書の分類
    3. 3. 字書
    4. 4. 義書
    5. 5. 韻書
    6. 6. 語書
    7. 7. 字様書
  12. 第11章 日本語と漢字政策 / 安田敏朗(やすだ・としあき)
    1. 1. 漢字政策の背景
    2. 2. 「国語の独立」と漢字
    3. 3. 漢字政策と国語政策
    4. 4. 「国語民主化」と漢字政策
    5. 5. まとめにかえて
  13. 索引

たかはし・てつや(高橋哲哉);2005/4;靖国問題;

ちくま新書532;筑摩書房;720円(100円);新書判;縦組;並製;238頁;;ISBN4-480-06232-7;

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