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つちや・ひでお(土屋秀宇);2005/7;学校では教えてくれない日本語の秘密;
;芸文社;1,000円(借覧);四六判;縦組;並製;195頁;;ISBN4-87465-777-X;
- 表意派――と自称するのはめづらしいやうに思つた――から見た国語国字問題の簡単な解説。
- 表音根性とか左翼根性とか似非学者根性とかいはれるかもしれないけど、「まえがき」の第1文、
一つ一つが意味を持つ漢字と仮名を交え表現する日本語は、世界に類を見ない優れた言語と言えます
からなんかひつかかるなあ。漢字仮名まじりといふのはたしかにユニークですぐれたシステムとは思ふけど、それはあくまで表記形式であつて言語ではないし、そもそも言語に優劣があるとは思へない。
- たびたび漢文訓読や訓読みや仮名文字の独創がたたへられてゐるけれど、漢文訓読はむしろ中国周辺の漢字文化圏に共通する現象ではないかと思ふし、訓読みや仮名も「朝鮮半島の実験」(といつた表現が河野六郎にあつた気がする)を前提にはありえなかつたのはないか。
可能性としては、一旦、朝鮮においていわば一種の実験が行われ、その土台の上に日本で漢字の“馴化”がなされたと考えられる
(「古代の日本語と朝鮮語」『河野六郎著作集 第1巻』563頁)。また、日本における漢字使用は朝鮮半島における実験を前提としている
(「古事記に於ける漢字使用」)とも。
- 当用漢字字体表への批判で、字源や文字相互の関係がわからなくなるといふのは、ひとわたりそのとほりだとは思ふのだけれど、ここで指摘されるもののおほくが筆写体として普通のものであることにも一言あつてもよいのではないかしらと思つた。
- 学年別配当漢字の無暗に厳格な運用はよくないといふのは全く同感。そのせゐで「当て字」は本当に増えたのかは調査してみると面白いのはないかと思つた(p.115)。あと、ローマ字を教えるせゐで子音だけの発音ができないといふのは言ひがかりに近い気がした。関係ないけど、仮名文で几帳を木丁と書く類はだういふ文字意識のもとになされた行為だつたのかなあ(拗音表記の問題とはまた別に)。
- 「におい」より「にほひ」のはうが好ましいイメージといふのは遺伝子の仕業なんかぢやなくて(p.129)、単に2形式あるうちの稀用のはうが高い価値があるやうに思はれるだけだらう。それで私みたいなのがなんちやつて歴史的仮名遣を使用することになる訳だし。
たにざわ・えーいち(谷沢永一);1997/11;これだけは聞いてほしい話;
;PHP研究所;1,429円(借覧);四六判;縦組;上製;285頁;;ISBN4-569-55706-6;
(∩゚д゚)アーアーきこえなーい
みつた・けーいち(光田慶一);2005/10;いろは歌の謎を解く―物部良名の言語遊戯―;
;けやき出版;1,200円(借覧);B6判;縦組;並製;2+135頁;;ISBN4-87751-282-9;
サブタイトルにある物部良名といふのは古今集955番歌、おなじもじなき歌/世のうきめ見えぬ山ぢへいらんには思ふ人こそほだしなりけれ
、の詠み手で、この歌といろは歌とに暗号をしかけたのだとか。日本語史研究の成果にも結構よく目配りされてゐるな、とは思ふのだけれど――岡田希雄の色葉歌の年代に関する疑問とか不敏にして知らなかつた――、第2章第3節「「む」と「ん」の区別の存在」で、n音とm音の区別といふのは正しいのだけれど、第3句を、岩波文庫本がいらんには
、角川文庫本がいらむには
としてゐるのを岩波のはうが原形としてゐるのは無理。助動詞「む」が「ん」になるのは文節中の位置には関係ないし(たぶん)、作歌時点ではまだmuだつたのではないか。
けふの買物
- sabra 010 2006 8th June
- 小学館
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