the view from nowhere : 2006-01-26 (Thu)

Article

濱田敦;1946/11;古代日本語;

古文化叢刊24;大八洲出版株式會社;20円(借覧);B6判;縦組;並製;200頁;;;

出版年月日から当然、旧字旧かななのだけれど、而も之が曾て日本語にも存した母韻調和の名殘りと見るべきものであるとの解釋は、日本語がウラル・アルタイ語族に屬せしめられる際の一障害を除くものと云はれる(pp.35-36)、それまで有してゐた言語を全く放棄して(pp.39-40)、唯、此の點本類は佛寺等の庫奧深くめられてゐるもの多く(p.53)などの表記がみられる。戦後の出版物だから、「同音の漢字による書きかえ」を逆にすれば国字改革以前のすがたになるといふわけではない――「正しい」ものではあるかもしれないけど――といふことを言ふのにあまり適切ではないけれど。あの「書きかえ」のうちのどれほどが新造の表記なのかといふことはいづれたしかめておきたい。

さかきばら・くにひこ(榊原邦彦);2005/7;枕草子及び平安作品研究;

研究叢書336;和泉書院;(借覧);A5判;縦組;上製;8+577頁;;ISBN4-7576-0317-7;

まつばら・のぞむ(松原望);2001/4;ゲームとしての社会戦略 計量社会科学で何がわかるか;

丸善ライブラリー340;丸善;760円(借覧);新書判;縦組;並製;xiv+191頁;;ISBN4-621-05340-X;

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平頭通
「秘」については、『仮名遣の歴史』(山田孝雄、S4)にも、使用例が在ります。p.22-23あたりとか。外にも「官報」では、殆どの敕令を「勅令」に印刷してゐたやうです。俗字と云ふより、当時の印刷における許容字体のやうなものと見てゐましたが、実際どうなんでせう。
猪川
コメント有難うございます。たとへば祕なら祕について、これを新字体で禾につくつたのを批判するのはかまはないのだけれど、国字改革より前にも運用があることへも関心をもたないのは片落ちだらうと思ふのです。「勅」については許容といふか「敕」のはうをあまり見ない気がしますけど定量的な調査をしてみないとなんとも。書写体については、ご存じかとは思ひますが、江守賢治「解説字体辞典」の43ページ以降が詳しいですね。
森 洋介
祕・敕などは府川充男氏の謂ふ所の擴張正字體、といふことでせうか。
猪川
拡張旧字体は、字原意識やパーツの統一などから作られた国字改革以前でもほとんどつかはれたことがないやうなデザインの活字体のことをいふみたいなので、ちよつとちがふ気がします。私なんかより森さんのはうがよつぽどたくさんの戦前の文献に目をとほされてゐるかと思ひますが、祕・敕などは用ゐられてゐるのではないですか。
森 洋介
無論用ゐられてゐますが、秘・勅の方が多い印象があります。この二字ならば戰前の漢和辭典でも俗字としてありますが、正俗の辨を判然とさせたのは戰後の當用漢字表からといふ字もありさうです。また「同音の漢字による書きかえ」では、「制禦」など用例を見たことなく、防禦の意である字を馭する意に用ゐるのは不審です。
cf. http://www.nnh.to/word/inverse-kakikae.html
猪川
間/閒とかもさうかもしれませんね。土屋道雄「國語問題論爭史」(玉川大学出版部)が全部「閒」にしてゐるのはかなり違和感があります。「制禦」に関しては、近代デジタルライブラリーで検索してみると「政経 一名・政治道徳学 フランシス・リ-ベル著,大石正巳訳」なる本に用例があるらしいのですが、画像が確認できないのでよくわかりません。「書きかえ」作成の際にまつたくよりどころもなしに入れたとも思はれないのですけど。
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