the view from nowhere : 2004-11-11 (Thu)

Article

なかじま・よしみち(中島義道);2004/10;続・ウィーン愛憎 ヨーロッパ、家族、そして私;

中公新書1770;中央公論新社;740円(借覧);新書判;縦組;並製;225頁;;ISBN4-12-101770-6;

ヨーロッパ中心主義の反省をヨーロッパ中心主義的に強ひるヨーロッパ人、といふのは面白かつた。

くろかわ・いほこ(黒川伊保子);2004/7;怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか;

新潮新書078;新潮社;680円(借覧);新書判;縦組;並製;204頁;;ISBN4-10-610078-9;

私が斎藤美奈子だつたら、この1冊で新潮新書のブランドイメージは地におちたとか書くところだ。勿論、音の感じ(どうしてもさう言ひたければ「クオリア」と言つてもかまはないけど)といふものはたしかにあつてそれが研究の対象にならないとは言はないし、ある程度は生理的/通文化的なものだらうとも思ふけど、しかしこんなネオ音義派ではとても納得できない。


大和田氏は、このインド・ヨーロッパ祖語の音韻列〔kom〕がインド語(古代ヴェーダ語、サンスクリット)に派生した後、仏教の経典などを乗り物にして、漢字キョウ「共」、ゴウ「合」、カン「咸(みな)」に封じ込められて、東洋の果て日本までやってきた足跡を丁寧にたどっている。

インド・ヨーロッパ祖語は西へと進化を続け、その旅の果ての言語が英語だというのは言語学上の常識である。大和田氏は、その一部の音韻が、梵語から漢語に入り込み、東へ旅した可能性に気づいた。そして極西のアメリカ英語と、極東の日本語の中に祖語にあった音韻が今も息づいているのだ。

大和田洋一郎は、英語(印欧語)の正体は、漢字です!なんだから逆なんぢやないの、と思つたけどよくわからない。

けふの買物

sabra 020 2004 25th November
小学館
広告批評 2004 NOV NO.287 特集 世界のコマーシャル2004
マドラ出版
YOUNG YOU 12月超特大号
集英社
SHINCHO MOOK 月刊花井美里
斎門冨士男撮影・新潮社
BOMB 12月号
学習研究社
評論家入門 清貧でもいいから物書きになりたい人に
小谷野敦・平凡社新書
文学の徴候
斎藤環・文藝春秋

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黄東洋
http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=30880277
『ロゴスの名はロゴス』呉智英(Kure Tomofusa)著。
83頁「世界に広がる日本的怪獣命名法」に以下の文があります。
「ゴジラ」という名前は「ゴリラ」と「鯨」の合成語にすぎない。
・・・・しかし、この駄洒落が結果として非常に良かった。
まず、英語圏で評判になった。当然ながら「ゴリラgorilla」に語感が近く、それが先行作『キング・コング』を連想させた。同時に、ゴジラの英語綴りがGodzillaにGod(神)が入っていることが、神の怒り、最後の審判をも連想させた。・・・・
しかし、命名の妙は日本でこそ効果が大きかった。怪獣の名をつけるのなら、濁音とラ行音だ、ということになったのである。日本語の固有語には濁音とラ行音がきわめて少ない。だから、短い音数の中にこれを多用すると異様な感じがする。これが怪獣の名にぴったりであった。かくしてアンギラスやらラドンやらが後に続くことになった。
・・・しかし、そのうちに現存の動物名の語尾に単にラをつけたものが表れた。
・・・ガメラに至っては「亀」を濁音化し、それに怪獣の接尾語ラをつけている。この濁音化も怪獣を表す濁音化とでも言うより他はない。いずれにしても、外国人には理解不能な命名である。

結構、参考になります。
「ラドン」はPteranodon(ロマンス語pter-翼):翼龍の略Radonであって、g音を持ちません。
「モスラ」はMoth(蛾)+(Godzi)llaであって、やはりg音を持ちません。
Godzilla←Gorilla(希臘語「毛深い人種」)+kuzira(日本語“whale”)
「アンギラス」は「アンキロサウルス」Ankylosaurus(ラテン語):鎧龍からです。
「キ」kyを「ギ」giにしたのは怪獣名としての濁音化でしょう。
あと「エビラ」などもありました。
黄東洋
はじめまして。
大和田の駄洒落が本になるとは、私もこの1冊で新潮新書のブランドイメージは地におちた思います。

>「共」、ゴウ「合」、カン「咸(みな)」
「共」gongは古代シナ語でkiungのような単語。
「合」heはhepに近く、朝鮮語でhapです。
「咸」xianは古代シナ語でhamに近い音で、朝鮮の「咸鏡道」Hamgyongdoに出てきます。

印欧漢祖語(假説)
?→古代漢語→現代漢語→漢字表記

印欧祖語→欧洲語→alphabet表記

印度諸語

>大和田洋一郎は、英語(印欧語)の正体は、漢字です!なんだから逆なんぢやないの、
おっしゃるとおりで、漢語と印欧語が共通の祖語にさかのぼるとしてもそれは漢字の正体が印欧漢祖語であって、欧洲語の正体が漢字ということにはなりません。

哺乳類と鳥はいずれも爬虫類から進化しましたが、蝙蝠と烏がいくら似ていても、哺乳類の正体は鳥ではありません。
猪川
どうも。詳しい解説をありがたうございます。こちらが改行を反映させないやうにしてゐるため少し見にくくなつてますね。すみません。
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