お題小説

『ミノタウロス種附け奇譚』

(代筆・川森友里子)

えっとオ、泉さんは潔癖(?)なんで「ヤだ、ド、動物となんて穢らはしい」だの「もう書かない」だのと申しておりますので私がやります。ハイ。

クレタ島の王ミノスは海神ポセイドンに捧げられる牡牛を何を思ったか横取りした。中年男の鬱屈ってこーゆーとこに吹出すのよねえ、まったく。で、こっちも短絡的な怪人、もとい海神ポセイドンは牡牛を暴れさせ、またミノスの妃パシパエーに牡牛に対する慾情を吹き込んだ。でも牡牛が年増女の誘惑なんぞにのるわきゃない。そこでパシパエーはマッドエンジニア、ダイダロスに牝牛の着ぐるみを作らせる。いくら神の牛とは言っても畜生は畜生で、牡牛はこの人工の牝牛に猛然と挑みかかった。

さて、実は牡牛の持続時間(何の?)は3秒。ってゆーのは偶蹄目は「圧力」じゃなくて「温度」で、〈反応〉するからなんだけど……。

だから牡牛は3秒で萎えてそのままどっか行ってしまう。パシパエーはいけなくて(まァ)、これで男性が夫なり不倫の相手なり○万円出して買った坊やなりだったら「自分ばっかり、」だか「この早漏野郎オ」だか云えるけど、動物にそんなこと言ったってこっちが空しくなるばかり。

オナニーしようにも手は届かない。

嗚呼、斯くてオバサンの夢の時間は潰え、あとはただ狂おしき情慾の声がクレタの島に拡がるばかり。いやーね、中年女のヨッキューフマンって。

あー、やだやだ。

ところで旦那のミノス王は男色の創始者とも言われてんだって。なーんか意味深……。