お題小説

『花咲く乙女たち』

塲所。閉館時刻間近の図書館。

嫩者が書物をとぢ、席をたゝんとする。それを取囲む四人の眼鏡を掛けた女。

「このコでいゝかなぁ」「いゝんぢやない、仲々美形だし」「顔なんかどうでもいいのよ、要はアレよ」「どうでもいゝつて事はないでせう」「あの、他に人も居ないですし」「さうねー」「で、如何するの」「えつとね、二人だと一人がバンザイさせてもう一人がしごくんだけど」「四人だよ」「取敢ず四肢を拘束しては」「縛つちやへ」「包帯ぜんぶ使つちや駄目だから」「何」「包帯残しとけつて」「分つた」「残りは」「巻くの」「巻く、何に」「何つて、おチンチン」「出すと萎えますから」「嫩いんだもん、持つてば」「さうよぉ、だいたい躰の内側にビユツビユツつて当るのがいゝのにぃ」「ぢやあんた最後ね、だつて見てよ、書いてあるんだから」「あ、ほんとだ」「下、脱がせましたけど」「一人黙つてると思つたら」「やだ、下ツ腹にピツタリ喰附いてる」「あんたひつぺがしてよ」「あたしが触るの」「どうせ姦るんだからぁ」「巻くつて、何う」「ゲートル巻きつて書いてあるけど」「ゲートルつて」「軍服で足に巻く」「知らないよそんなの」「いゝつてギユツ締めちやへば」「鬱血するのでは」「大丈夫だつて、ほら、一番手は誰」「あたし最後ー」「でも如何してあたしたち眼鏡掛けてなくちやいけないのかな」「そりや、〈本を読む女〉つて事で」「何読んでんだか」「絶対作者が妙なコムプレツクス持つてんだつて」「ほんと、莫ツ迦みたい」「アハヽ」(畢)